「ニコニコ動画」や「Youtube」などの動画投稿サイトでは、ボカロに歌ってもらった作品がたくさんアップされています。またイラスト投稿サイト「ピクシブ」にはボカロのキャラクターを二次創作した作品がたくさん投稿されています。ボカロの発展と投稿サイトとは切っても切れない関係があります。
VOCALOIDの誕生
「初代VOCALOID」は2003年2月にヤマハから発表され、翌2004年に発売されました。もちろん今と比べたら表現できる幅も狭かったに違いありません。私が知る限りではバックコーラスに使ったり、仮歌などのデモ音源に利用するなどの用途で開発されたと聞いています。技術的には面白いけど、機械が歌うなんてなんとなく気持ち悪い、みたいな感じで受け止められていたと思います。
初音ミクの功績
「初音ミク」の発売元であるクリプトン・フューチャー・メディア社はこの初期バージョンから関わっており、2007年に「VOCALOID2」の登場とともに「初音ミク」が発売されます。ここで画期的だったのは、「初音ミク」にキャラクターを設定したことです。アニメ調のイメージイラストでその姿が、さらに年齢や身長・体重なども設定されています。そのキャラクターが歌うということでより想い入れがしやすくなりました。
さらにクリプトン社はこれらのキャラクターの自由な二次創作を承諾したのです。(自由とは言えあくまで非営利に限られます。商業利用などには許諾が必要となります。以下のリンクを参照)これによってバーチャルシンガー・初音ミクはたくさんのクリエーターによってイラストや動画、歌唱が投稿サイトに投稿されることとなり、一大ムーブメントとなっていきました。
その後の初音ミクの活躍は、テレビ出演やライブ、さらにはワールドツアーの敢行など、まさにシンガーとして認知されるまでになりました。「ボカロ=初音ミク」というイメージを持たれている方も多いかと思います。
▶キャラクターの自由な二次創作を承諾するためのガイドライン:ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)
クリプトン・フューチャー・メディア社・piapro
身近になったクリエーターへの道
実は「初音ミク」と「ニコニコ動画」と「ピクシブ」は同級生です。初音ミクのキャラクターのイメージを膨らませて動画を作ってニコニコ動画へ、イラストを描いてピクシブへと投稿し、それを見た人が評価するという流れができあがりました。そこで評価を得た人たちは商業者の目に留まり、やがてプロのクリエーターとして活躍するようになります。
こうしたネットで作品を発表して夢を叶えるという流れは、それまでのレコード会社や出版社などに売り込む方法から、直接一般消費者の評価を得るという道を産み出しました。ボカロ以外でも、例えば小説の投稿サイトなども同様でしょう。
ボクのボカロ曲の聴き方
話を音楽に戻しますと、ボカロ曲はニコニコ動画やYoutubeに本当にたくさんアップされていて、その中でも「定番」や「神曲」などと言われる人気曲も多数あります。実はボクはそんなにボカロ曲について詳しいわけではありません。娘がボカロ曲が好きなこともあって以前から耳にはしていたのですが、あまり触手が動かなかったというのが正直なところです。今では自分がボカロを使うようになったので、制作の参考のためによく聴くようになりましたが。
ボカロの打ち込みにはボカロの歌唱部分だけじゃなく伴奏の部分も作るので、アレンジや音作りの参考にもなります。カバー曲はオリジナルと比較ができるので結構勉強になりますね。
プロとアマの差?
ボカロ曲は以前から耳にしていたけど触手が動かなかった、というのは、決してヘタクソだからではありません。むしろ凄いテクニックを駆使した曲もたくさんあります。まさにプロ顔負けです。
これはボク個人の感想ですが、「すごく良い曲なんだけどちょっと詰め込みすぎ」みたいに感じていたことが一つの理由です。特にアレンジに関してそう思います。例えば曲のヤマやアクセントになる部分がいっぱいあったりします。まあそれはおそらくボクがオジサンだからそう感じるのであって、若い人たちはそう思ってないから人気があるんでしょうけど。
昨今、プロが作る曲はシンプルになっているように思います。音数を減らして間を大切にしているように思います。ボクはただの素人なので偉そうなことは言えませんが、そういうところがプロとアマの差なのかな、と思ったりします。
ただボカロ曲でもボク好みの作品はたくさんあります。ボクが最近ボカロ曲を聴き始めたばかりなのでまだ出会ってない名曲がたくさんあると思います。これからもたくさんのボカロ曲を聴いていきたいと思っています。