ボクなりのDTM解説(初心者向け)

【ボクなりのボカロ・DTM解説(5)】・【すべて無料!】絶対即戦力になる無料プラグイン!

『DTMは果てしない課金ゲー』だとよく言われるよね。

ネム
ボク

そのとおりだね。
ボクもDTMを始めて少しずつDTMの世界がわかってくると身に沁みて感じるよ。

趣味の素人DTMerのクセに、何が欲しくなるの?

ネム
ボク

人によってそれぞれだと思うけど、ボクの場合はまず音源だね。
DAWにはじめから付属している音源では物足りなくなってくる。
その次にMIDIコントローラーやオーディオインターフェイスなどの機材
その次にエフェクトなどのプラグインかな。

そんなお金ないでしょ?

ネム
ボク

そうなんだよね😭
でもね、機材は無理としても、音源やエフェクトの無料版のプラグインがたくさん提供されているんだ!
これはとてもありがたいね!

それじゃあボクが使ってる無料のプラグインを紹介してよ。

ネム
ボク

オーケー!
じゃあいくつか紹介するね。

そもそもプラグインって何?

プラグインって武器やアイテムを装備するようなもの

プラグインとは、ソフトウェアに追加して機能を拡張する小さなソフトウェアのことです。RPG風に言えば武器屋で剣や防具を買って装備するといったところでしょうか。武器屋やアイテム屋にも無料の商品があったりするでしょ? ただDTMの無料プラグインの場合、「無料=ショボい」とは言い切れません。むしろ「これが無料なの!?」というクオリティのものがたくさん存在します。

DTMではDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)を核として音楽制作しますが、音を鳴らすための音源や、音を加工したりするエフェクト好みのものを使える仕様になっており、それらはDAWに対するプラグインという形で追加できます。DAWに付属している音源やエフェクトも実はプラグインなんですね。

プラグインの規格、呼び名はいくつかありますが、一般的なのはCubaseなどで利用するVST/VSTi、Logicなどで利用するAU、Pro Toolsで利用するAAXの3つです。自分が使っているDAWではどの規格のプラグインが使えるのか確認しておく必要があるので注意しましょう。

▼ プラグインについて詳しくは…以下の記事をどうぞ

無料音源系プラグイン

SampleTank CS4

無料の音源にはどんなものがあるの?

ネム
ボク

いくつかの音源がセットになっている総合音源系
自分で音作りができるシンセ系
ドラムやギターなどの生っぽい楽器をシミュレートした専用音源系などがあるよ。

製品版のお試し版として無料で提供されているものが多いかな。

「お試し版」だと機能制限や試用期間があるんじゃないの?

ネム
ボク

もちろん機能制限はあるんだけど、
以下に紹介するプラグインは試用期間もなくずっと使えるものばかりだよ。

【総合音源】Komplete Start

超定番・超弩級の総合音源『KOMPLETE』とは?

有償の製品版の『KOMPLETE』とはNative Instruments社が誇るDTM界の定番総合音源です。DTMをかじっていてその名を知らない人は少ないでしょう。KOMPLETEは定番老舗シンセの筆頭である『MASSIVE』をはじめとする各種シンセ、『KONTAKT』を始めとする各種サンプラー、ドラムやギター、ブラスやストリングスなどの専用音源、各種エフェクターまでパッケージされた超弩級の製品です。これさえあればもう音源には困らないくらいです。

ただしネックなのはその価格で、廉価版のSELECTでも26,800円、最上位のCOLLECTORS EDITIONとなると242,000円(!)と、なかなか手が出しにくいものではあります(価格は2023年5月時点)。パッケージされている製品群は単体でバラ売りされてもいて、それらをすべて単体購入するよりは圧倒的に安いことは間違いないのですが…。救いは年に1~2回くらいセールがあって半額くらいで入手できることもあるので狙っている人はチェックを欠かさないようにしましょう。

(注)アップグレード版はすでに以前のバージョンのKOMPLETEをお持ちの方しか使えません。初めてKOMPLETEを買う場合はフルバージョンを購入しましょう。

『KOMPLETE START』は『KOMPLETE』のお試し版

ボク

▼KOMPLETE STARTの紹介ビデオです。
動画ではKOMPLETE STARTに含まれているKOMPLETE KONTROLから音色を探してエディットする要領が紹介されています。

そんなKOMPLETEのお試し版が『KOMPLETE START』です。無料とは言え、なんと2,000以上のサウンドが入っています!
残念ながらドラムやギターなどの専用音源やMASSIVEなどは入っていませんが、即戦力になる高品質のプリセットがたくさん入っているので、DAW付属の音源に物足りなさを感じてきたら迷わず使ってみることをおすすめします!

▼ KOMPLETE STARTはこちらから入手!!

【総合音源】SampleTank 4CS

『SampleTank』とは?

SampleTankとはIK Multimedia社のサンプラー系総合音源の製品です。こちらもこれひとつで一通りの高品位な音源が揃います。同じ総合音源のKOMPLETEとの違いはアコースティック楽器もシンセもすべてサンプル音源であるということです。また、KOMPLETEはサンプラーもシンセも数種類入っていて操作画面も異なるのに対し、SampleTankはすべて一つの画面で操作します。そのため操作を覚えやすいというメリットがありますが、細かい調整ができないというデメリットもあります。しかしそれでも膨大なサンプルデータによる音の高品位さはデメリットを凌駕するほどです。簡単な操作で良い音源を使いたいという方にはKOMOLETEよりもSampleTankが向いているかもしれません。またKOMPLETEよりも若干安いですし。SampleTankの製品版はSampleTank 4/SampleTank 4 MAX v2の2バージョンがありますが、前者が6,000音色、後者が18,000音色以上という搭載音色の違いです。SampleTankもバーゲンセールを行うことがあるので要チェックですね。

高品位な音源を無料で!『SampleTank 4 CS』

ボク

▼SampleTank 4 CSのサウンド紹介です。
素晴らしい音です!

SampleTank 4 Custom Shop(以下、4CS)はSampleTankのお試し版です。収録音色は50と少なめですが、非常に高品位な音色ばかりなので即戦力になること間違いなしです! Custom Shopの名がついているのは音源パックを購入して拡張ライブラリーとしてパワーアップしていけるからです。4CSの音色や操作感が気に入ったら製品版のSampleTankを購入するもよし、必要な音源パックだけを購入するもよしと、予算に合わせたアップグレードができるのが嬉しいですね。

▼ SampleTank 4CSはこちらから入手!

【総合音源】INDEPENDENCE FREE

『INDEPENDENCE FREE』とは?

ボク

▼INDEPENDENCE FREEのサウンド紹介です。
ユニークな音色が多くて重宝します。

INDEPENDENCE FREEとは無料のサンプラー系総合音源です。少し古い音源ですが、2GBの高品位ライブラリーが利用できます。以前はYELLOWTOOLSという会社が提供していたようですが、現在はMAGIXが提供しています。MAGIXのサイト内を探してみたのですが、どうやら製品版のINDEPENDENCEは販売されていないようですね。画面のインターフェイスも古臭くはありますが、音はとても良いですよ。

ボク

▼こちらの記事で搭載音色が紹介されています。
筆者の「まめ丸にる吉」さんによるデモもあります。

上記の記事にあるようにドラム、ギター、ベース、ピアノ、シンセのようなバンド系音色からパイプオルガンやパーカッションなども入っています。ボクは特にエレクトリックギターのパワーコードの音色が好きですね。

ボク

▼こちらの記事ではインストール手順が紹介されています。

▼ INDEPENDENCE FREEはこちらから入手!

【専用音源:ベース/アコースティックギター】Ample Bass P Lite II / Ample Guitar M Lite II

『Ample Bass/Guitar』とは?

Ample Sound社から非常にたくさんのギター/ベースのシリーズが発売されています。このシリーズの特徴は音がとてもイイこと、操作も直感的でわかりやすいことです。また他社のギター音源に比べるとややリーズナブルなのも嬉しいところです。高音質なのに動作も軽く、あまりPCに負荷をかけません。

ギター系の専用音源の良いところは同じ音を連続して鳴らしても単調で機械っぽくならないことです。これはラウンドロビンという機能で、1音ごとに数種類のサンプルからランダムに鳴らしてくれるので人間っぽい微妙な強弱を出してくれます。この機能がなければ打ち込みで1音1音ベロシティを変えてやる必要があるので、時短になりますよね。その他にもスライド奏法やハンマリングオンなどの独特の奏法を簡単に再現することができるので、さらにギター/ベースの再現度が高まります。またこのAmpleシリーズのギター音源にはストラムモードというものが搭載されていて、ピックでジャカジャカかき鳴らす奏法が簡単に打ち込めるという画期的な機能です。

『ABPL & AGML』とは?

ボク

▼ABPL & AGML公式のデモビデオです。
無料なのにこのクオリティーは凄い!

Ample Bass P Lite II / Ample Guitar M Lite II(以下ABPL / AGML)はベースとアコースティックギターの専用音源の無料版です。無料版ということでいくつかの制限はあります。音質が製品版に比べると少し落ちますが、素人DTMerにはほとんど気にならないレベルです。またアーティキュレーション(奏法)も省略されているものがあります。一番大きな問題点は製品版に比べて音域が制限されていることで、AGMLに至っては4フレットより上のフレットで和音が出せない(単音なら出る)という制限があることです。つまり4フレット以上を使用するストラム演奏は無理ということです。このあたりは無料版ということで工夫して使うしかないですね。。しかし制限はあるものの、リアルなベースとギターを導入するだけで楽曲のクオリティーが格段にアップするので、ぜひ導入してみてほしいです!

ボク

▼こちらはAGMLのインストール方法と使い方の解説記事です。
ABPLもインストール方法はほぼ同じです。

▼ ABPL & AGMLはこちらから入手!

【専用音源:エレクトリックギター】Unreal Instruments Standard Guitar

『Unreal Instruments Standard Guitar』とは?

ボク

▼Unreal Instruments Standard Guitar公式のデモ音源です。
部分的に機械っぽいところもあるけど、
無料でこれだけできたら本当にありがたいです。

Unreal Instruments Standard Guitar(以下、Standard Guitar)はボクが知る限りでは(狭いな笑)最高の無料エレクトリックギター音源です。デモ音源を聴いてもらうと誰もが「これが無料!?」と驚くこと間違いなしです!アーティキュレーション(奏法)の種類も実に豊富で、スライド奏法、ミュート、チョーキング、ハーモニクスなどなど。例えばチョーキングは他製品だとベンドを使って表現することが多いですが、Standard Guitarではキースイッチで半音チョーキングまたは1音チョーキングのいずれかを指定する方式で、初心者にとってはわかりやすいです。(ギターの奏法がわからない方はYouTubeなどで検索してみてください)

Standard Guitarは単体で利用できる製品ではなく、サウンドフォントという規格のプレイヤー上で動作します。そのためStandard Guitarをインストールするには事前にサウンドフォントのプレイヤーのインストールも必要です。そのあたり、公式サイトにはインストール方法や製品のマニュアルも用意されているので安心してください。

あれ?
Standard Guitar入れてみたけどデモ音源とは違って音がショボいよ(怒)

ネム
ボク

注意点としてはエレクトリックギター音源というものは別途、アンプシミュレーターという音作りのプラグインも必要になります。
エフェクターは歪み系のオーバードライブやディストーション、空間系のリバーブやディレイなどを組み合わせて使うよ。

Standard Guitarはギターの「素」の音(=クリーン)しか入っていないので、アンプを通してエフェクターをかけてやるという音作りをすることでデモ音源のようなカッコいい音になるということを知っておいてください。幸い無料のアンプシミュレーターも出回っています。ひとつは先に紹介したKOMPLETE STARTに含まれている「GUITAR RIG 6 PLAYER」。もうひとつは先に紹介したSampleTankを販売しているIK Multimedia社が無料で提供している「AmpliTube 5 Custom Shop」。いずれの製品も豊富なプリセットが用意されているので、まずはプリセットからお好みの音色を使ってみましょう。

また公式サイトではエレクトリックギター音源のStandard Guitar以外にも、メタルに特化したギター音源の「METAL-GTX」や、ベース音源の「Standard Bass」、琴の音源の「13Strings KOTO」、ウィンドチャイムの「Wind Chime」やアンサンブルで叩いているような「Epic Tom」などのパーカッション系音源、変わったところではキッチン用品によるパーカッション音源「Kitchen Percussion」などもあり、ワンポイントで使えそうな音源が揃っていますよ!

▼ Unreal Instruments Standard Guitarはこちらから入手!

【専用音源:ベース/ドラム】MODO BASS 2 CS/MODO DRUM CS 1.5

『MODO BASS/MODO DRUM』とは?

MODO BASS/MODO DRUMとは先に紹介したSampleTankのIK Multimedia社から発売されている専用音源で、非常に人気が高い製品です。専用音源は実機の音をサンプリングした物が多いのですが、MODOシリーズはフィジカル・モデリングと言う実機をシミュレートして音を出す方式です。つまりシンセのような合成音なのです。サンプル音源は膨大なサンプリングデータが必要なのでインストールするとPCのストレージ(HDDやSSDなど)を数十~数百GBも食ってしまいます。しかしMODOシリーズはサンプルデータを必要としないのであまりストレージを食わないというメリットがあります。

製品版のMODO BASSは22モデルのベース、MODO DRUMは13キットのドラムが収録されており、これ1本でさまざまな楽曲に対応できてしまいます。音質もサンプリング音源と遜色なく、その上価格も約$100とお手頃なのも人気の原因なのでしょう。

ボク

▼MODO BASSとMODO DRUMがセットになったオトクなパックもあります。

無料版『MODO BASS 2 CS/MODO DRUM CS 1.5』

ボク

▼MODO BASS 2 CSの紹介ビデオです。
製品版との比較もあります。

ボク

MODO DRUM 1.5 CSの紹介ビデオです。

MODO BASS 2 CS/MODO DRUM 1.5 CSは無料のお試し版で、1モデル/1キットのみの収録となります。しかし細かいチューニング、カスタマイズが可能なので、楽曲によって雰囲気を変えることは可能です。基本機能は製品版と同等で、MIDIグルーブや高品位のエフェクトまで内蔵されています。CS(Custom Shop)の名の通り、追加のモデル/キットが個別に購入可能です。即戦力になること間違いなしです!

▼ MODO BASS 2 CS/MODO DRUM 1.5 CSはこちらから入手!

ボク

▼MODOシリーズのインストール手順です。
SampleTankと同様にIK Product Managerからインストールします。

【専用音源:ドラム】MT Power Drum Kit 2

『MT Power Drum Kit 2』とは?

ボク

▼にぎりめし様(@Nigirimeshi4649)作編曲のデモ曲です。

MT Power Drum Kit 2(以下、Power Drum)はアコースティックでリアルなドラムキットのパワフルで高品質なサウンドを提供する無料のドラムサンプラーです。このドラムキットはポップ、ロック、メタル作品に最適です。ボクは特にキックとスネアの音が好きです。このPower Drumには1種類のキットしか収録されていませんが、エフェクターやミキサーが内蔵されていてある程度の(調整程度の)音作りは可能です。

特筆すべきはこのPower Drumには膨大な「Groove ライブラリ」が付属しており、様々なパターンのドラムフレーズ(シンプルなビートからカッコいいフィルインなど)が数千種類(公式にも具体的な数字が書いてない)収録されています。お気に入りのフレーズがあればすぐにDAWに貼り付けられるので、手軽にカッコいいドラムパートを打ち込むことが可能です。

▼ MT Power Drum Kit 2はこちらから入手!

ボク

インストーラーが付属していないためインストール方法がちょっとわかりにくいので、「お使いのDAW名 MT Power Drum Kit 2 インストール」などでインストール方法を検索してみてください。

ボク

▼以下はCubaseの場合のインストール方法参考動画です。

【専用音源:ドラム】SteavenSlateDrums / SSD5.5 FREE

『SteavenSlateDrums / SSD5.5』とは?

Slate Digital「Steven Slate Drums 5.5」は非常に人気の高いドラム音源です。操作が簡単でチューニングなしでもすぐに良い音が出せるのは初心者に優しいです。キックが112個、スネアが135個など、豊富な音色が搭載されているのであらゆるジャンルに対応できます。それなのに価格も定価で$119とお手頃です。セールでは$59なんて時もあるらしいので要チェックですね!また月$9.99のサブスクもあるようですが、個人的には$59で入手できるチャンスもあるならセールを待ったほうがいい気がします。

無料版『SteavenSlateDrums / SSD5.5 FREE』

SSD5.5 FREEはSSD5.5の無料版で、1キットのみの収録です。収録されているキットはキックやスネアが抜けが良くて聴き心地が良く、どちらかと言えばハードなロック系向きかもしれませんがポップな曲でも使えますよ。個人的にはとても好きなドラム音源で、もし製品版を購入するならSSD5.5かな~、、なんて思ってます。設定無しですぐに使えますが細かなチューニングもできるので、無料版の音に飽きてきたら設定をいじって音色に変化を与えてみましょう。

▼ SteavenSlateDrums / SSD5.5 FREEはこちらから入手!

ボク

▼以下のページの下の方にあるSSD5.5 FREEのリンクを探してください。

ボク

▼インストール手順はこちらを参考にしてください。

ボク

▼基本操作はこちらを参考にしてください。

無料エフェクト系プラグイン

【ボコーダー】TAL-Vocorder

『TAL-Vocorder』とは?

TAL-VocorderはTAL Softwareが提供している無料のボコーダーです。
ボコーダーとはマイクなどでオーディオデータをボコーダーに入力し、それを機械っぽく変換して出力する楽器です。シンセサイザーの一種と言えます。初期のYMOがビハインド・ザ・マスク等の楽曲で使用していました。ボクはYMOに憧れているので、YMOが使っているものならボクも使ってみたいなと調べていたらTAL-Vocorderに行き当たったわけです。

ボク

▼詳しくは別記事に書いたので、そちらをご覧ください!

[VST] 無料のボコーダー TAL-Vocorderの使い方

「ボコーダー」というものをご存じでしょうか?例えばYellow Magic Orchestra(YMO)のビハインドザマスクなどで使われている機械のような声の出るシンセサイザーの一種です。 https ...

続きを見る

ボコーダーの音を聴いてみよう

上の記事ではボコーダー使用曲としてYMOのビハインド・ザ・マスク(1979年リリース)を例示していますが、古い曲でピンとこない人もいるかもしれないので、もうちょっとだけ新しい(と言っても1996年)曲もご紹介。PUFFYの『アジアの純真』のコーラスとしてボコーダーが使われてました。このライブ映像ではプロデューサー/作曲者である奥田民生がバックでボコーダーを演奏していますね。奥田民生はボクと同世代なので、やはり若い頃にボコーダーの音に触れていて憧れ(?)があったから使ったのではないかと勝手に推測しています(笑)

【パンナー】Auburn Sounds – PANAGEMENT2

『PANAGEMENT2』とは?

音楽作品をヘッドフォンやイヤフォンで聴くと立体的に聞こえますよね。ドラムとベースが真ん中、ギター1が左、ギター2が右、キーボードがやや左、、といった具合です。市販の音源は左右から違う音を出すことで人間の耳に立体的に聞こえるように作られています。左右2チャンネルで「ステレオ」と呼ばれます。DTMでこういったステレオの音源を作るためにはミックスの際に「パンポット/パン」というツマミを使って各楽器を左右どの位置から聴こえるようにするか設定します。

DAWに搭載されている一般的なパンは左右の位置設定のみですが、PANAGEMENT2は奥行きも設定することができます。つまりその楽器が目の前に居るのか、遠くに居るのかが簡単に表現できます。またPANAGEMENT2は単なるパンナーではなく「空間系プラグイン」と称していて、リバーブ、ディレイ(無料版では使用不可)、LFOなどにより空間を操るプラグインです。

ボク

▼あれこれ文章で説明するよりも実際のデモを見て・聴いてもらったほうが理解しやすいと思います。

距離に応じたリバーブのかかり方の違いや、LFOでパンを自動的に揺らすなどの効果がおわかりいただけたでしょうか。ボクの場合はメインのボーカルを前方に、コーラスをやや後ろに定位させたりするのに使ってます。アイデア次第でとても使えるプラグインだと思います。

『PANAGEMENT2』の注意点

このPANAGEMENT2を使う場合の注意点を少し。
まず各トラックにPANAGEMENT2を使う場合はDAWのパンはセンターにしておく必要があります。
また、複数のプラグインを挿している場合、PANAGEMENT2は一番最後に挿しましょう。ボクの失敗談としてPANAGEMENT2でいくらパンを設定しても定位が変わらなくて困ったことがありましたが、PANAGEMENT2の後に別の空間系プラグインが挿されているとそちらが有効になるためパンが効かないことが原因でした。

▼ PANAGEMENT2 FREEはこちらから入手!

ボク

インストール方法は上の動画を見てね。

【コンプレッサー】OTT

『OTT』とは?

OTTはシンセサイザープラグイン「SERUM」で有名なXfer Recordsから無料で提供されているマルチバンドコンプレッサープラグインです。このプラグインはかなりの人が使っているようで、プロでも使っている人がいるようです。しかし初心者にも人気な理由は、「とりあえずOTT挿しとけば音がカッコよくなる」からです(笑)

使い方も簡単で、トラックに挿してよし、マスターに挿してもよし。難しいことがわからない人はとりあえず挿してDEPTHを20~30%くらいにすればイイ感じになるよ、、というものです。

OTTの得意ジャンルはシンセ系で、簡単に華やかで派手なトラックが作れるので特にEDMで多用されるようですが、もちろんそれ以外の楽器やジャンルにも利用可能です。とりあえず挿してみて試してみるのがよろしいかと思います。

ボク

▼これもやっぱり実際に効果を耳で確かめたほうが良いですね。
下の動画の使い方解説がとてもわかりやすいです!

コンプレッサーとは?

ボクはエフェクターの中で操作が難しいのがコンプレッサーだと思っています。未だに使い方がよくわかっていません(汗)
原理はわかるんですが、どうやったら自分の求める音にできるのかがわからないんですね。なのでOTT以外のコンプレッサーを使うときはいつも内蔵されているプリセットに頼ってしまいます。

原理についてボクの乏しい知識で解説すると、設定したレベル以上の音量(または音圧)をそれ以上にならないように潰すエフェクターです。これにより小さい音はそのままに大きい音を圧縮する効果が得られて音量を安定させることができます。例えばギターを打ち込みではなく録音した場合、奏者が演奏に抑揚をつけて弾くと小さくポロンと爪弾いた音と、ジャーンとかき鳴らした大きな音にはかなりの音量差ができてしまいますが、コンプレッサーをかけることで小さい音も大きい音も一定の音量で聴こえるようにできるのです。

ただボクのような素人の場合、どのレベルでどのくらい音を潰せばよいのかがよくわからないけど、プリセットをいろいろ試したら音がカッコよくなるやつが見つかるのでそれを使う感じです。本当はちゃんと勉強すべきなのですが(汗) OTTの場合、とりあえず挿してDEPTHを下げておけばそれだけでカッコよくなることが多いのでとてもありがたいコンプレッサーです。

▼ OTTはこちらから入手!

ボク

インストールはインストーラーをダウンロードして実行し、
ポチポチ進めていくだけです。

【ボーカルダブラー】iZotope Vocal Doubler

『Vocal Doubler』とは?

Vocal Doublerはヴォーカルに自然なダブリング(2人で歌っているような効果)を与えるエフェクターです。AIで自動マスタリングできるOzoneなど、とても先進的なエフェクターを各種発売しているiZotope社が無料で配布している太っ腹な製品です。使い方は直感的で、ダブらせる深さや距離をお好みの感じになるように調節するだけです。

ボク

▼効果が確認できるデモビデオを御覧ください。

ダブリングについて

ダブリングとは2人で歌っているかのような立体的に聴こえる手法です。ヴォーカルだけではなくギターなどの楽器もダブリングさせることがあります。ダブリング効果を得るためには同じフレーズの歌唱または演奏を別トラックに収録し、それぞれを左右にパンを振ってやることで得られます。ところがDTMの打ち込みの場合はコピペして2トラックに分けて左右に振ってもダブリングの効果は得られないのです。むしろ真ん中から聞こえてしまいます。不思議ですね!

人間が歌唱あるいは演奏した場合、同じフレーズであったとしても微妙に差異が生まれます。この差異によって左右に別れた歌唱・演奏が聴こえるのです。ところがボカロの歌唱にしても打ち込みの演奏にしても、何回でも寸分たがわぬ全く同じ演奏になるため差異が生まれないのです。そのため打ち込みでダブリングさせるためには何らかの工夫やテクニックが必要です。

このVocal Doublerはそんなダブリングを手軽に実現できるので、ボカロやDTMの打ち込みトラックをダブリングさせたい方はぜひ使ってみてください!

▼ Vocal Doublerはこちらから入手!

ボク

ダウンロードするにはiZotopeのアカウント登録が必要です。
アカウント作成後、iZotope Product PortalというiZotope製品の管理ツールを使ってダウンロード~インストールします。無料製品はダウンロード画面にシリアルナンバーが表示されているのでコピーしておきましょう。
▼以下の動画を参考にしてください。

【イメージャー】iZotope Ozone Imager V2

『Ozone Imager V2』とは?

Ozone Imager V2はVocal Doublerと同じく、iZotope社が提供している無料プラグインです。トラックまたはマスターの音を左右に広げたり、逆に狭めたりできるエフェクターです。Ozoneの名を冠していますが、Ozoneに搭載されているImagerの簡易版になります。簡易版ではありますが効果は絶大です。

どんなふうに使うかというと、ミックスの最終段階で曲全体の幅をもっと左右に広げたい場合にマスタートラックに挿して使用します。またヴォーカルやギターなど、左右に立体感を出したい場合にトラックに挿しても良いです。先程のVocal Doublerに似ていますが、Vocal Doublerは元音+若干のエフェクトが掛かった音が重ねられてにじむような感じがするのに対し、Ozone Imager V2は元音を変化させずに左右に伸ばすような感じです。

ボク

▼効果が確認できるデモビデオを御覧ください。

▼ Ozone Imager V2はこちらから入手!

ボク

ダウンロード~インストール手順はVocal Doublerと同じです。

(番外編)無料で使える音声合成ソフト

ボカロ(バーチャルシンガー全般)は初音ミクをはじめ、可不、flowerなど人気の製品はほとんど有料の製品でした。このブログでは”ボカロ・DTM”を扱うことを標榜しているので、DTMだけではなく無料のバーチャルシンガーも紹介したいと思います。

NEUTRINO

『NEUTRINO』とは?

公式サイトには「NEUTRINO – NEURAL SINGING SYNTHESIZER は最新の生成系AIを用いた歌声シンセサイザーです。」とあります。AIにより自然な歌唱を生み出せるツールです。実際に歌手が楽曲を歌ったデータから特徴を抽出しており、本人の声質だけではなく癖・歌いまわしなども再現しています。正式リリースから一年が経ち、第二世代(Muon / ミューオン)へと進化したようです。

歌声ライブラリも豊富に揃えており、代表的なのは「東北きりたん」でしょう。ボクも以前に東北きりたんを使ったことがあります。公式サイトが言っているように歌詞とメロディーを入力するだけでかなり自然な歌唱が得られます。これが無料だとは!ありがてえ…。ありがてえ…。

…と思ったら、難点もある

東北きりたん以外にも魅力的な歌声ライブラリが揃っていて、しかも全部無料だなんて本当にクリエイターの味方!って感じなNEUTRINOなのですが、難点は専用のエディタがないことです。つまりNEUTRINOはAIで歌唱データを生成してくれるだけで、メロディーと歌詞を打ち込む機能が付属してないんです。

VOCALOIDもCeVIOもそれぞれ工夫をこらした専用のエディタが付属していて、ピアノロールにメロディーのノート(音符)を置いて歌詞を打ち込み、その場で再生して確認できるように作業効率が考えられています。NEUTRINOにはエディタが付属していないので別のツールを使って1次データを作成し、それをNEUTRINOに読み込ませて歌唱データを生成する、、という手順を踏まねばなりません。ということはメロディーを考えながら打ち込むとか、再生して確認しながら微調整する、といったことができないんですね。ボクのような作曲初心者にとってはちょっと致命的だったので使用を断念しました…。

とはいえ無料でこれだけのクオリティーのバーチャルシンガーが手に入るのは本当にありがたいことです。ボクは根性がなくて使用を断念してしまいましたが、NEUTRINOを使った作品はたくさん世に出ているのでファンはたくさんいると思います。もしそれらの歌声に惚れたならぜひ、使ってみてください!
(ボクはもしNEUTRINOの専用エディタができたならまた使ってみたいです)

▼ NEUTRINOはこちらから入手!

ボク

インストールと使い方は以下の記事を参考にしてください。

Synthesizer V Basic

Synthesizer V』とは?

Synthesizer V はDreamtonics株式会社が開発したニューラルネットワーク技術を使って驚くほどリアルな歌声を生成してくれる歌声合成ソフトです。Synthesizer Vの開発者であるKanru Hua(華侃如)氏は、これもフリーの老舗歌声合成ソフトであるUTAU用の合成エンジンを作成した人です。

ボク

▼Dreamtonics社のSynthesizer Vの公式サイトです。

Synthesizer Vは製品版として販売されていて、NEUTRINOとは違って専用のエディタが付属しています。ほとんどベタ打ちでもAIによってそこそこリアルな歌唱をしてくれます。それも驚くほど高速にレンダリング(歌唱の生成)してくれます!

Synthesizer V Studio Basic』とは?

Synthesizer V Studio BasicはSynthesizer V Studioの無料版です。Pro版(製品版)と比較すると編集トラックは3トラックまで、などのいくつかの制限はありますが、AIによる歌声生成はできるので存分に試せます。また歌声ライブラリーにあたるSynthesizer Vのライト版も無料でダウンロード可能です。ただし商用利用が不可、個人利用に限る、そして「Synthesizer V ライト版を使用」の明記が必要なので、条件を守ってご利用ください。

ボク

Synthesizer V Studio BasicおよびSynthesizer V ライト版は株式会社AHSのサイトからどうぞ!

ボク

Synthesizer V Studioの使い方はこちらの記事を参考にしてください!
製品版と無料版の使い方はほぼ同じです。

まとめ

あらー、これで音源からエフェクター、
バーチャルシンガーまで、
無料で一通りそろちゃったね!

ネム
ボク

うん、そうだよ!
無料でもこれだけ良い製品があるんだよ。

それじゃあもうお金使わなくいいね。

ネム
ボク

うーん、無料なんだけど機能に制限があるものがほとんどなので、
気に入ったら製品版を購入するのが良いと思うよ。
無料版は製品を購入してもらうためのお試し版だから。

そうかー。
じゃあ貯金しましょうね!

ネム
ボク

そ、そうだね(汗)
まあボクのような貧乏DTMerにとってはこんな素晴らしい製品を
無料で提供してくれて本当にありがたいです!
みなさんも感謝しつつ使ってみてくださいね!

-ボクなりのDTM解説(初心者向け)