ミュージック

【オリジナル曲】僕のかぐや姫

オリジナルソング2作目です。

1作目の『雨にフラレて』がじっくり時間をかけて、というか必然的に時間がかかってしまったのですが、2作目の今回は1ヶ月弱で仕上がりました。『雨に―』を投稿してからしばらくDAWも開かずのんびりしていた(実際は本業が忙しかった)のですが、急に『雨に―』でも参加したとあるコンピへの参加を思い立ち曲作りを始めました。作曲に限らず創作活動は何でもそうだと思いますが、精神的にも肉体的にもパワーが無いとできないのだということがよくわかりましたね。充電期間を経ることで再び創作活動ができたのだと思います。

ボクの場合趣味で活動してるので締め切りなど無い自由な活動なのですが、音楽関係のコンペやコンテストなどはたくさんあり、それに向けて作品を作る場合は締切に合わせる必要が出てきます。今回は前述のコンピの締切に向けて創作活動をしたのでちょっとしたプロ作家気分を味わえました(笑)しかしプロの作家さんはもっと短い締切だったり、複数の案件を抱えていたりするので重圧はこんなもんじゃないでしょう。改めて凄いなあと感心します。ボクは才能も精神力もないので無理ですね。

そしてコンピの締切に近づいた頃、ニコニコでボカロのお祭りであるボカコレ2022秋も近いことに気づきました。ついでにボカコレにも参加しようかな、ということで急ピッチで動画も制作しました。幸運なことに動画で使用するイラストをキミノカゲ様(@kiminokage23)に描き下ろしていただけることになり、動画のクオリティーが爆上がりしました♪

楽曲について

9月は中秋の名月、十五夜、月見バーガー、、と月にまつわるイベント(?)が多いですよね。ボクは元々月を見るのが好きで安い天体望遠鏡で月の表面を観察したりしてました。ある夜、月を見ていて「かぐや姫」を連想し、そこから「かぐや」→「家具屋」というダジャレが連想されてこの曲が浮かびましたw

ご存知のようにかぐや姫は日本最古の物語とされる「竹取物語」のヒロインで、ラストでは月へ帰るわけです。現代のかぐや姫もまた月へ帰らなければならない…。そう考えると辛い話になってしまいそうでしたが重苦しくはしたくなかったのでこのような楽曲になりました。

作詞について

家具屋の娘だから「かぐや姫」。姫が小学生の頃に付けられたあだ名です。でもそのあだ名が姫の運命を暗示しています。他の女子とはどこか違う姫はクラスの男子に隠れファンが多いです(笑) 表立って好きと言えないのが小学生です。そんな姫は成長してさらに美しくてどこかミステリアスな娘となります。家具屋の隣に住む「僕」は近くに住んでいながらも姫を遠くから見守るだけです。他の男子とは交流しない姫が自分にだけはちょっとだけ心を開いていることを知っていながら、あと一歩踏み込めません。そして中三の十五夜に姫は月へ帰っていった――。

姫がどのように「月へ帰った」のかはご想像におまかせしますが、自分の運命を悟っていた姫の心中と、大人になりきれていなかった「僕」の姫に対する想いと、姫を失ったこれからについて考察いただければと思います。

作曲について

1作目の『雨に―』はメロディーを先に作ってコードを当てはめましたが、今作はコード進行を先に作ってみました。まだまだ自分のスタイルが確立されていないのでどっちが作りやすいのかわかりません。

ボクはコード理論がわからないのでCubaseのコードアシスタントという機能を使ってコードを鳴らしてみて、気持ちよければ採用という流れでコード進行を作ります。そのため7thや9thなどのテンションコードやdimやsus4などのエモい響きのコードを多用しているかもしれません。

最初はリファレンス曲を決めてコード進行を真似ようと思ったのですが、気づいたらほとんど原型が残っていませんでした(笑)

アレンジについて

改めて完成した曲を聴いてみると途切れのないスピード感はありますが、もう少しキメやブレイクなどのアクセントが欲しかったかな、と思いました。

今作もバンドサウンドを意識していますが、姫の人生のように駆け抜けた感じを出したくてギターロックにしたかったです。ボクはギターが弾けないのでギターの打ち込みも苦手分野です。鍵盤楽器と違ってギターには独特のコードのボイシングがあり、様々な奏法があるので、手元にあるバンドスコアのギターパートを見ながら研究しました。曲を聴きながらスコアを見て「この音はこういうふうに演奏するのか」と答え合わせする感じですね。ギタリストではないDTMerさんにオススメします!

イントロや間奏に出てくるギターソロの主題では同じメロディーをストリング系のシンセでユニゾンしています。これはフュージョン系の楽曲ではよくあるアレンジだと思いますね。

コーラスはAメロ・BメロをKen、サビを弦巻マキに歌ってもらってます。あまり目立たないパートなので2人には申し訳ないですが、いずれもっと目立つようなハモリ・コーラスのアレンジを考えたいです。

プログラミングについて

楽器の構成はドラム、ベース、ピアノ、シンセ、エレクトリックギターです。ギターロックを目指したつもりで、キーボードはアコースティックピアノがメインです。

音色

キーボード系

キーボード系はピアノ、ストリングスのみです。あとイントロ部分の琴ですね。
ボクはいつも隙間をパッドで埋めるクセがあるのですが、今回はグッとこらえてパッドを入れるのを我慢しました(笑)

ピアノはArturiaのPIANO Vのアコースティックグランドピアノです。他のピアノ音色とのレイヤーなどせずに単音職です。こういうロック曲にはシンプルなアコースティックピアノが良いかと思いました。

ストリングスはAnalog VのMini Moogの音色です。

琴はAnalog VのEmulator Ⅱというサンプラー楽器の音色です。サンプラーは何かしらの音を録音してそれに音階をつけたり加工したりするという楽器です。サンプラーが登場した80年代初期では大型で大変高価なものでしたがE-mu Emulatorの登場により様々なミュージシャンが使うようになりました。とはいえEmulator Ⅱの価格は約300万円とまだまだアマチュアミュージシャンには手が届かない代物でした。現在はソフトウェア音源で安価に手軽に利用できますし、サンプラー機材も数万円で手に入る時代になりました。

ギター系

エレクトリックギターはAmple Guitar LPを4パート使ってます。ギターの音作りは前作まではアンプシミュレーターにKOMPLETEのGuitar Rig 5を使ってましたが、今回はIK MultimediaのAmpliTube 4(Free版)を使ってみました。ハッキリ言って音色はAmpliTubeのほうが好みですね。

ギターの音作りはアンプやキャビネットの選択とセッティング、各種エフェクターの選択とセッティングにより行いますが、ボクはぜんぜんわかりません(汗)なのでプリセットに頼っているのですが、AmpliTubeのプリセットの分類が分かりづらくて手当たり次第にプリセットを選んで気に入った音色を探す感じだったのでとても時間がかかりました。AmpliTube 5もリリースされているようなのでもう少し使い込んでいきたいですね。

リズム隊

ドラムはSSD5(Free版)を使ってます。ロックにはこれが合う感じですね。ボクが使っているSSD5はFree版でドラムセットは1つしか選べませんが、操作がシンプルで音も好きです。Free版ながらドラムの演奏プリセット集も付いていて、カッコいい演奏パターンがたくさん入っています。ただロック色の強いパターンが多いので、やはりロック向けなドラム音源なのかな、と思いますね。

あと落ちサビの終わり部分にリバース(逆再生)シンバルの音を使ってます。これはサンプル音源のオーディオファイルを貼り付けています。

ベースはAmpleのBass PⅡ Liteです。無料音源です。この音源にはDTMを始めた初期の頃からお世話になっています。無料版なので機能の制限はあるのですが、扱いやすさと音の良さが気に入って使い続けています。今回もベースは特別目立つ見せ場がなくて、文字通り曲を下から支えることに徹してもらってます。

ミックス・マスタリング

今回はギター中心ということでバッキングギター1と2を左右に、リードギターを中央に配置しました。バッキングギターはダブリングも試したのですがイメージ通りにうまくダブらせられなくて、結局1を左に、2を右に配置する感じになりました。もっといろいろ試したいですね。

楽器数もあまり多くない割には各楽器がきちんと独立して聞こえなくてちょっと苦労しました。各楽器の分離はミックス段階での処理なのか、それともマスタリングで処理するのか、悩ましいところではあります。まあ、両方なのでしょうけれど。

マスタリングは基本的にはiZotopeさんのOzoneに頼ってますが、ボクが持っているのはOzone 9 Elements(3段階の1番下のグレード)でした。Elementsでもかなりの効果を発揮してくれていたのですが、ボカコレに出品したあとで思いがけずOzone 9 Standard(2番目のグレード)を非常に安価に入手できました。思ったよりもStandardは機能が増えていて効果も大きいように感じました。これも使い込んでいこうと思います。

実を言うとこの記事を書いている時点ですでにOzone 10が発売されてます。9から10へのバージョンアップで数々の新機能が搭載されているようで欲しくてたまりませんが、すぐに手が出ないのが貧乏DTMerの悲しさです。かと思ったらVOCALOID 6も発売になり、ボクの物欲はマックスになっています。これがDTMの沼なのですね…。

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