アーティスト・楽曲について
もうすっかり音楽界の重鎮になってきた奥田民生のソロ第2弾『愛のために』です。1994年発売なのでもう30年弱も前にリリースされた曲なのですね…(遠い目)。もちろんこれは奥田民生が今も第一線で活躍しているので時を感じないという意味です。
奥田民生は御存知の通りユニコーンのボーカルとして1986年にデビューし、現在もバンド・ソロともに精力的に活動しています。ユニコーンの初期の頃は空前のバンドブームでJUN SKY WALKER(S)、THE BOOMなどと人気を分けていました。真面目でカッコいい世界観を持ったバンドが多い中、少しふざけた感じのユニコーンは他のバンドとは違う感じがしていてボクはユニコーン推しでした。
そんな奥田民生が本格的にソロ活動を行うに当たり制作したのが『愛のために』で、奥田いわく「2曲分くらいのアイデアをつぎ込んでしまってちょっともったいなかった」そうです。ユニコーンの楽曲はアップテンポで軽快なロックのイメージが有りましたが、ソロでは少しテンポを落とした重みが感じられる楽曲となっていました(もっともユニコーンも年令を重ねるにつれて落ち着いたロックに移行していきましたが)。
アレンジについて
これは特にアレンジはありません。そのままコピーです。
そもそもこのコピー作品はギターの打ち込みの練習のために制作したものなので。
手元に奥田民生のバンドスコアがあったのでほぼ忠実に打ち込んでます。
強いて言うなら、イントロ前のギター~ベース~ドラムと楽器が増えていくライブでよくありそうなあおりのパートを足しました。あとは右Ch.のギターがソロを弾いたあとに少し休む、、的なのもライブを意識してそうしています。細かいこだわりですが(笑)
プログラミングについて
ギターパート
打ち込みにおいて弦楽器(ギター、ベース、ストリングスなど)を再現するのは難しいです。例えばDAWに最初から入っている音源の中の「ギター」という音色でスコア通りに打ち込んでもギターっぽくなりません。一昔前のカラオケのギター音のような機械的で味気ない音になってしまいます。
弦楽器はシンセなどの電子楽器と異なり、弦をハジいたりこすったりして音を出し、それをピックアップやマイクで拾って録音しています。そこには鍵盤楽器とは異なる様々なテクニックがあり、それを打ち込みで再現するのは本当に大変です。例えばギターでずっと同じ音を弾いている場合でも、それは必ずしも一定ではなく、良い意味でのムラがあるのです。ところが打ち込みでそれと同じ音を打ち込んで再生すると正確に一定の音になってしまうから機械っぽく聞こえるのです。では人間ぽくするにはどうしたらよいかと言うと、音の強弱、リズムのずらしなどを1音1音調整していけば近づけることができるでしょう。でもそれって気が遠くなる作業ですよね…。
そこで!専用音源の登場です!
専用音源にはギター(アコースティック、エレクトリック)やベースをはじめ、バイオリンやチェロなどのストリングスなどをシミュレートしたものがあります。これを使えば少ない労力で実際の楽器に近い演奏を再現してくれるというものです。仕組みとして主流なのはサンプル方式で、本物の楽器の音を1音ずつ録音し、該当する音符が打ち込まれたら対応する録音された音を再生するというものです。しかも同じ「ド」の音であっても何種類も録音されており、それがランダムに再生されるので機械っぽくならないのです(これをラウンドロビンと言うらしい)。頭いいですね。
前置きが長くなりましたが今回はなんと!無料!のギター音源「Unreal Instruments Standard Guitar」というものを使っています。リンク先のページにデモ演奏もあるので聴いていただきたいのですが、かなりリアルです!それっぽく聞こえるようにするためには打ち込みのテクニックも必要で慣れが必要ですが、要領をつかめればかなりの戦力になると思います。これで本当に無料というのは何という太っ腹なのでしょうか!注意点としては導入するのに手間がかかること、別にアンプシミュレーターというものが必要になるということがちょっとだけネックですね。でも素晴らしい音源なのは間違いないです!
つまりこの曲はUnreal Instruments Standard Guitarの打ち込み練習のための曲だったというわけです。
その他の楽器
ベースはKONTAKTの「SCARBEE RICKENBACKER BASS」という音源を使用。Rickenbacker® 4003というモデルをサンプリングしたものだそうですがボクは楽器に詳しくないのでよくわかりません。多分往年の名機だと思います(汗)。ピック弾きで太い音が気に入ったので使ってみました。今回はスライドやハンマリングなどの奏法の打ち込みを覚えました。KONTAKTには他にもベースの音源が入っていますが奏法は共通しているようです。
ドラムは「SSD5」の無料版を使っています。これも良い音源ですよ!
オルガンはARTURIAのANALOG LAB収録のB-3オルガンの音色です。KOMPLETEを持っていますがシンセやオルガン音色はANALOG LABを使うことが多いです。理由としては往年のビンテージシンセの音色が好きだということと、「ANALOG LAB V」という音色管理ソフトがとても使いやすくて6500以上もある音色から目的の音色を探しやすいことです。ANALOG LABには「あのアーティストのあの曲の音」がたくさん収録されているので大のお気に入りです!
ミックス・マスタリング
今回は特に変わったことはしていません。
が、「Liveバージョン風」にするためにマスターにリバーブを挿してホール感を演出してみました。オーディエンスの拍手や歓声のSEはネットでフリー素材をダウンロードして貼り付けました。